「子どもには自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在がモンテッソーリ教育の前提となっています。 歩くことを教えなくても歩こうとしたり、積極的に環境に関わりながら様々な事柄を吸収していく様子は、子ども自身が自立に向かって成長・発達していこうとする姿のあらわれともいえます。 この内在する力が存分に発揮できる環境と自由が保障された中で、子どもは自発的に活動を繰り返しながら成長していきます。
モンテッソーリ教育では、子どもが自由に選んだ活動を「お仕事」と呼び、お仕事を助ける道具を「教具」と呼びます。子どもが内在する力を存分に発揮できるように発達段階に合わせた緻密な環境が用意されており、教具の配置や大人の関わり方一つひとつに意味があります。
子どもが自分で選び活動する中で、集中力、自制心、意欲といった非認知能力が自然と育まれます。それこそが社会の中で生きるための重要な力であり、土台となるものです。ただ子どもたちの自由に委ねる意味での「自由保育」ではありません。
当園のモンテッソーリ教育は、子どものために深く考え抜かれた教育方法なのです。
※当園は東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターの実習園です。
1,000㎡を超える広々とした園庭には、季節の移ろいを感じられる築山や、色とりどりの草花が植えられています。
子どもたちは、自然の中でのびのびと遊ぶ中で、自然への愛着や、自然と共に生きる感性を育んでいきます。
園庭には、東京都の木育事業を活用した大型の木製遊具も備えています。遊びの中で心と身体を大きく動かしながら、たくましさとバランスのとれた成長を支えます。また、育てた野菜を自分たちで調理して味わうなど、自然との繋がりを体感する機会が日常の中にあふれているのも特徴です。
虫や植物とのふれあいを通して、子どもたちは多くの“ふしぎ”に出会い、五感と感受性を豊かに育てていきます。
森の子の食事は、園内のキッチンで「自園調理」をしています。専任の栄養士や調理師たちが中心となり、一人ひとりの発達に応じた食事を手づくりしています。
栄養バランスはもちろん、調理の様子を見たり、音や香りなどを感じるなどの様々な体験を通じて、心の育ちを支えることが乳幼児の食に大切だと私たちは考えます。
一汁三菜の食事形式を取入れる。必ずフルーツも添える。お魚の献立を増やす。ベーカリーと契約し、添加物のないこだわりのパンを仕入れるなどの多様な食卓づくりを通して、子どもたちの心の豊かさにも想いを注ぎつづけています。
森の子では、年齢で一斉に分ける保育ではなく、子ども同士の関わり合いを大切にする「たてわり保育」を行っています。異なる年齢の子どもたちがともに過ごすことで、年下の子は年上に憧れ、挑戦する気持ちが育まれます。年上の子は、思いやりや責任感を自然に身につけ、互いに学び合いながら成長していきます。
クラスの移行は、一斉に進級するのではなく、子どもたち一人ひとりの発達のタイミングに合わせて、一年を通じて丁寧に行います。保護者の方とも丁寧に対話を重ねながら、安心して移行できるよう寄り添っていきます。
一人ひとりの発達にふさわしい環境と関わりの中で、自ら遊び、学ぶ力を育てる ― それが、森の子こども園の保育のかたちです。